
《第1話》
人生の道に迷ったとき、
壁にぶち当たったとき、
以前の私は、答えを外に求めていました。
私たちの「目」は、自分の外側を向いていて、自分の肉体から外にあるものを認識します。
私たちの「耳」は、やはり外にベクトルを向けていて、自分の肉体の外にある音を認識します。
こうやって、私たち人間に備わった感覚器官は、基本的に、自分の肉体から見て外側にあるものを認識するように機能し、それを理解するように出来ています。
ですから、私たちが人生の壁に当たったり、悩み解決の答えが欲しい時、その答えを外に求めてしまうのも、仕方ないことなのかも知れません。
暗く、内向的で、劣等感のかたまりで、強烈なコンプレックスを抱えていた私の高校時代。
そんな私が、近所の大きな書店に駆け込み、書棚の隅から隅まで、自分を救ってくれそうな本を探し始めた「自分探しの旅」の始まりは、まさに、自分の“外側“に、その答えを見いだそうとするところから始まりました。
そう、青い鳥を求めて旅に出た、チルチル・ミチルのように。
この「自分探しの旅」をまとめるにあたり、以前から書き溜めて来た自分の過去を振り返る機会を得ました。
改めて振り返ると、本当に様々な場面で、多くの気づきや経験をさせてもらっていたことに気づきました。
そして、それぞれの時代や場面において、最初から多くのヒントを得ていたはずなのに、当時はまだ、それを生かし切れていなかった自分が居たのだ、ということにも気づきました。
これは、今の自分だからこそ言えるのだということも真実ではありますが、
同時にこの話が、今もなお彷徨い続ける「自分探しの旅人」に、その歩き方のちょっとしたヒントにして頂けたら…と思っています。
そして、この「自分探しの旅」を読まれる上で、その背景に隠された言葉の意味や心のカラクリなど、何らかの気づきを得ていただけたなら、私も嬉しく思います。
「自分探しの旅」とは、どこか遠くへ旅に出かける、ということではありません。
「自分はどこから来て、そして何をするためにここにいて、そしてどこへ行こうとしているのか」
そんな深遠なる問いと共に、あなたが、あなたの人生について何かを思い、何かを感じ、何かを深く探し求めたときから、あなたの壮大な「人生」という旅は、すでに始まっているのです。