心理系、スピリチュアル系のカウンセラー、ヒーラー、セラピストといった、この時代に、とても重要な役割を担っている方々や、そのサポートを受ける側の方々の声を聞く機会が、私、田久保剛は結構多くあります。
そして、このようなメンタルケアの現場に起きている話を聞くと、カウンセリングの本質が見落とされた現状に、「飛べない蝶の悲劇」の寓話が重ねって見える事が多く、強い憤りさえ感じています。
無知に基づいた善意の過ち
“良かれと思っての善意の行為”がとんでもない過ちだったということを伝える、こんな寓話があります。
* * * * *
あるところに、間もなく羽化して飛び立とうと、必至にもがく蝶のさなぎがありました。
そんな光景を観ていたある男が、なかなか堅そうな殻を破けないで、もがき苦しんでいる姿を見て可哀想になって、少し手伝おう思い、殻の端の方を少し切ってあげたのです。
すると、その切り込みの辺りから、みごとにさなぎの殻が破け、蝶はようやく、中から出てこられたのです。
しかし、その時に中から出てきたものは、なぜかそのまま、地面にボトン、と落ちました。
地面におちたそれは、なぜかイモムシのように胴が大きく、背中にクシャクシャと縮まった羽根とも言えないようなものが生えていました。
さなぎからようやく出てきたそれは、羽根を広げて空に舞う「蝶」の姿ではなかったのです。
そして、そのイモムシのような姿をした虫は男を見上げ、こう言いました。
「ありがとう! あなたが殻を切って手伝ってくれたんだね。お陰で楽に出て来られたよ。さっきまでは、苦しかったなぁ。。。」
そう言い残して、その虫は重たい胴を引きずり、地を這うように歩いて去って行きました。
その虫は、「自分が本当は何者であるか」に一生気づくことなく、その短い生涯を終えることになるでしょう。
一生飛ぶことの出来ない、蝶とは呼べない蝶として。。。
・・・そう、男は知らなかったのです。
蝶が、あの堅いさなぎの殻の中で、何をしているのかの真実を。
蝶は、堅いさなぎの殻の中でもがくことで、胴の栄養が羽根に送り込まれ、そのプロセスを通して、初めて、空に飛び立てるほど立派な羽が形成される、という真実を。
大空を羽ばたく、美しく立派な羽根がちょうど仕上る頃にさなぎの殻が破けるよう、この大自然の法則には、完璧な仕組みが存在している真理を。
「真実」と「世間の評価」の乖離
この寓話を、あなたはどう思われましたか?
私は、この話がどういう事実に基づいたものかは知りません。
しかし、はじめて聞いたとき、とても衝撃を受けました。
精神性を扱って人をサポートする身として、肝に銘じるべき教訓がある、非常に象徴的な話だと、深く感じ入りました。
この寓話に出て来た男は悪人でしょうか?
いいえ、彼は、苦しそうなさなぎを「助けよう」としたのです。
“良かれ”と思って殻を切ってあげたのです。
悪人どころか、純粋な心の持ち主です。
その純粋で親切な行為の部分だけを見たら、世間から大絶賛され、社会から大きな評価を受けるかもしれません。
しかし、その行為の結果として生み出されたものは何だったでしょうか…
そして、さなぎから出て来た、蝶とは言えない虫も、この男に対して恨むどころか、苦しみを取り去ってもらった事に感謝しています。
この虫もまた、「真実」、つまり、「正しい知識」を持たず、自分の身に何が起きてしまったのか、気付くことも出来ずにいます。
しかもいつか、「あれ?何かが違うかな?」と違和感を持つようになったとしても、もう、さなぎをやり直すことは出来ません。
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この“悲劇”を生み出す元凶は何だったのか…その核心については、次回の記事でお伝えします。
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