人生には調子が良い事が続く時もあれば、何をやっても裏目裏目で、上手く行かないスランプに陥ってしまう時もあります。
この「スランプ脱出のヒント」を、オリンピック選手の言葉をきっかけにした、田久保剛なりの解釈をお伝えします。
「悪いところの修正」vs「良い時を思い出す」
昨夜は、平昌オリンピックで、メダル獲得が注目されている、スキージャンプの高梨沙羅選手をTV応援観戦。極寒の地で、何もこんな夜中の競技時間にしなくてもいいのに…なんて思いながら観ていました。
さて、注目の高梨選手は悲願のメダル獲得、感動の銅メダルで、私も思わずガッツポーズでしたが、その快挙を伝える、今朝のテレビ番組で興味深い話がありました。
番組には解説として、長野オリンピックのスキー・ジャンプ団体金メダリストがゲストに招かれていて、最近の、スランプに陥っていた状態から見事オリンピックメダル獲得を果たした高梨選手に関して、ニュースキャスターからの質問に、下記のようなやり取りがありました。
スキージャンプはスランプに入ってしまうと回復は大変なんですか?
「かなり時間が必要になってきますね。調子が悪くなると、悪いところを修正しようという事ばっかり考えてしまう」
いいじゃないですか?…修正すれば…
「ただ、自分の良い時のことを忘れてしまうんですよね。自分の本来のものに戻す、というのはかなり時間がかかると思います。」
(カギ括弧内コメント:斎藤浩哉さん・1998年長野オリンピック スキー・ジャンプ ラージヒル団体金メダリスト/2018年2月13日放送「とくダネ!」より)
さて、『調子が悪くなると、悪いところを修正しようという事ばっかり考えてしまう』という、流石は一流アスリートの鋭い着眼点の重要発言に対し、
え?、悪いところを修正しようとして何が悪いんですか?…
という勢いで、「いいじゃないですか」という、ニュースキャスターのツッコミから、
『自分の良い時のことを忘れてしまう』
という金メダリストの超重要な本質的発言も、軽くさらりと流されてしまって、話題は、体型の差とか、競技のルールとかの、私にとっては枝葉の話に流れていってしまいました(^_^;
私的には、このメンタル面の部分をピックアップして、一流選手の視点での話を掘り下げて頂きたかったですが、それはさておき、
『調子が悪くなると、悪いところを修正しようという事ばっかり考えてしまう』 ⇒ 『良い時のことを忘れてしまう』
というこの公式は、確かに、0.0何秒という瞬時のタイミングが勝敗を決める極限の世界では、こうしたメンタル面での影響は極めて大きいと思いますが、スキー競技に限らず、あらゆるスポーツはもちろん、
人生の様々なスランプ脱出に適用できる、重要なポイントだと感じました。
エネルギーの法則
この現象を簡単に喩えるなら、
「眠れない夜に眠ろうと努力するほど眠れなくなる」
というメンタルの仕組みに似ています。
「“眠ろう”という努力」が、「眠れない」という状態を無意識に認めて強化してしまう状態、スランプ脱出しよう、しよう、として、スランプそのものにエネルギーが注がれる。
この「エネルギー」的な観点で言えば、
「意識した対象にエネルギーが注がれる」
という法則によって、
『悪いところを修正しようという事ばっかり考えてしまう』⇒悪いところにエネルギーを注いで、悪いところをより色濃くしてしまう、実在性を与えてしまう、という事も言えます。
バイクを運転したての人は、観た方向にバイクが向かって行ってしまう…という経験があると思います。壁に当たるまい…と壁を観ると、その意識に体が無意識の反応して、そっちに向かってしまうのです。
この、
「意識した対象にエネルギーが注がれる」
という、このエネルギーの法則をしっかり理解しておくと、この陥りがちな悪循環を回避しやすくなると思うのです。
スランプは天からのシグナル
スランプには、その現象の背後に、様々な要因があると思われます。
そして、それは往々にして目には見えないもので、ゆえに、対処策もわかりにくい面ばかりです。
体は心のように嘘をつかず、正直に反応しますから、そもそもオーバーワークで、休息を求められていたり、身体面での異常の警鐘かもしれないし、精神面での何らかのマイナス影響が現象化されているのかも知れない。
その目に見えない範囲で起きている事を、目に見える、知りうる、考えうる統計的な通り一遍の対処にだけ頼って、あれこれ着手するよりも、
「こういう時期もあるさ…」
と、良い意味で諦めてしまい、その状態のメンテナンスを天に委ねる方が、結果的にスランプ脱出に繋がりやすいケースもあるのだと思います。
ちなみに、「天に委ねる」なんて表現は、科学的なものを拠り所にされる分野の世界には受け入れ難そうですが… 私的に言うと、無意識領域の反応が云々とか、偉い専門家の先生が使うような学術チックな表現よりも、
「神に任す!」
って、一般的に言うところの、思いっきり怪しい表現でバシッと言い切った方が、断然、そのパワーが増大する感覚があるのです(^_^)b
(表現するときのTPOは考慮しますが…)
私は、スランプは、天(本質的な自分)からのシグナルだと思います。
何かを教えてくれている、もしくは、何かのきっかけを与えてくれているのです。
だから、自分の判断基準だけで、逆行しようとすると、その反動で、スランプが長引くかもしれません。
私は天(普遍意識・宇宙の法則・神)の存在、そしてその仕事を深く信頼してますので、広大なる天の仕事を、自我意識(限定された意識)の自分が出しゃばってやろうとしている過ちに早めに気付いて、“信頼して”天に任せることは、精神的な抵抗なくできます。
でも、人間は、自分が信じている(受け入れている)ものに素直に意識が向きますので、
「こういう時期もあるさ…」って、手放せるためにも、目に見えない世界や、精神的なエネルギーの原理をある程度理解して納得していた方がいいでしょう。
単にスランプ脱出のテクニックとして、心配や不安に覆い被せるように「こういう時期もあるさ(汗)」と言い聞かせるのも、逆効果かもしれません。
忘れていた大切な事を思い出す
さて、話を戻して、スポーツのみならず、スランプに陥ったとき、壁にぶち当たった時、万策尽き果てるまで様々な考え得る対処をして努力をする、という経験も得るものは多々あると思いますし、それを否定するつもりはありません。
しかし、金メダリストの発言にあった、「何が悪いのか」ということを考えすぎて、「良い時のことを忘れてしまう」という決定的な過ちをしないためにも、
スランプ脱出のために必要なリカバリーの詳細の仕事は、天に任せて…
たとえば、何の為に「それ」をやっているのか、という原点を振り返る機会にして、夢中で楽しんでいた時の感覚とか、純粋な動機を思い出したり、
思いっきり休んだり、ボ〜ッとしたり、遊んだり、結果に囚われず、淡々と、今できることに向き合っていったり、
あえて、リカバリーの努力を放棄して、
「何かをしようと努力しない」
ということに意識を向け、天が必要な采配をすることに任せ、それを邪魔する意識でエネルギーを注がないようにする。
その姿勢が、
「良い時のこと」
「本当に望んいた感覚」
「最も大切にしていたこと」
「魂の衝動」
というもの呼び覚まして、
自我意識(エゴ)が介入しないことで、普遍意識のエネルギーが流れ出し、その結果として示してくる何かを経験する…
一体、天がリカバリーのプロセス何を示し教えてくれるのか…それを体験することに、最近の私は大きな価値を感じて、とてもワクワクするのです。
その体験の積み重ねが、目には見えなかった「無限なる本当の自分」の自覚に近づき、その意識を垣間見ることに繋がってくるとも思います。
そういう意味でも、「スランプ」とは、忌み嫌う状態ではなく、大切な事に気づき、次なるステップとして大きくジャンプする、天からのギフトなのだと捉えています。
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開催日時とトークテーマ:
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【第60回】 2018年 3月11日(日) 13:30~16:00
テーマ:『「使命」とは何か』
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講師:田久保剛
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