「これだけはどうしても間違っている」
直面した出来事を、そう感じる時こそ、深い真実と出逢う瞬間です。
不完全に見える影には、受け入れ難い人生の困難な暗闇には、私たちを導く完全な法則が宿っています。
自我意識の視点を超えて、普遍意識の光を見出す。
闇こそが、私たちに光を気づかせる協力者という真理を、田久保剛の講話からお伝えします。
法則は間違わない
「これはおかしい」という感覚は、すべて私たち「人間の視点」から生まれるものです。
私が言う「人間の視点」とは、自我意識あるいは分離意識と呼ばれる不完全な視点のことです。全体的な因果関係を見えたら然るべき現象が、そのうちのごくわずかな部分しか見えていないから不完全に見える、それが人間の視点なのです。
人間の視点から見ると「おかしい」「これだけはおかしい」と感じることも、その視点の枠を取り払って、全体が見えたら「背後に、こういうことがあって、然るべくして今ここにこのようなことが起きていたのだ」ということが見えてきます。これは、過去の何らかの形で起きたことが正確に返ってきているようなものです。
これは「バチが当たる」というような意味ではなく、単純に反対側から見て自分自身の行為を認識するという捉え方もできます。鏡を覗き込むと自分の顔が映り、その鏡によって映し返してもらうことで、自分の顔の汚れや髪の乱れが見えるように、何らかの形で自分自身の状況を映し返してくれる、誰かもしくは何かが鏡の役割をしてくれているような側面があります。
今起きていることに対して、どういう認識で向き合っていけば自分のためになるのか、自分なりには正しく理解したつもりで向き合っていたけれど、その向き合い方が正しかったのか、それとも間違っていたのか、その瞬間には分からないことがたくさんあります。
しかし、どんな理解の仕方であっても、向き合っていくしかありません。向き合っていけば、それが正しい向き合い方だったのか、それとも正しくなかったのかということすらも、全て正確に教えてくれます。
私はこの法則というものに安住している、というか法則に守られているということに対して、すごく安心感があります。間違っているのは常に自分であり、法則は一切間違えないからです。私たちは絶対的な芯、つまり法則というコアに支えられているのです。
だからこそ安心して、起きることに対して真摯に向き合っていけばよいのです。この法則に基づいたカルマヨガは、法則についての理解がないとなかなかうまくいきません。「ここまで心を込めて丁寧にやっているのに、まだこのようにならない」といったように、結果に執着してしまう自分がいたりします。
しかし、このような霊的な見えない世界の様々な法則や仕組みを理解していると、今の自分には分からなくても、きっと自分のやっていることが何らかの形で作用しているのだというところに意識を戻すことができます。
「おかしいじゃないか、こんなにやっているのにうまくいかない」と思ってしまう自分がいるのは、自我意識で捉えているからです。本来は私には分からなくても、必ず何らかの作用をしていて、その作用が正しかったのか、それとも間違っていたのかすらも、きっと私に分かるようにしかるべきタイミングで教えてくれるでしょう。
私は全てを法則に明け渡し、目の前に起きていることについて案じることはありません。その効力があったのかどうかということは一瞬は考えますが、すぐにそこから離れます。私のやっていることが正しいかどうか、間違っていたかどうかは全て法則にお任せします。法則は絶対に裏切らず、必ず自分にとって必要なタイミングで教えてくれるはずです。
私は自我意識を克服した聖者でも賢者でもなく、完全に悟りきった人物でもありません。常に自我意識の視点から世界に向き合っています。一瞥体験のような真理を垣間見る瞬間は確かにありますが、多くの時間、おそらく90パーセントくらいは自我意識の状態です。
いや、もしかしたら上の方から「田久保、甘いぞ。99.999パーセントくらいだろう」と言われているかもしれません。しかし、100パーセント自我意識というわけではありません。どんな人であっても、どこかの瞬間に普遍意識を垣間見ているのです。
たまたま私はこういうことを勉強しているから、それが普遍意識を垣間見たのだということが理屈で分かりますが、スピリチュアルについて全く知らない、あるいは霊的な世界に対して完全に否定的な人であっても、一日のちょっとしたタイミングで普遍意識を垣間見たりしています。
なぜなら、元々が普遍意識だからです。それを覆い隠しているものが、分離感であり自我意識なのです。
暗闇の存在意義
誰もが本当は普遍意識なのですが、それに気付かないだけなのです。どれだけ覆い隠しても、少しずつ光が漏れてくるのです。
かつて私は「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というイベントの会場に行ったことがあります。そこは完全な暗闇で、光が一点も入らない空間でした。そこには田舎の家の縁側のようなセットがあり、様々な街の風景が再現されていて、視覚障害のある方々が案内役となって、グループで触りながら空間の雰囲気を感じていくという体験でした。
それは本当に光が一点も漏れない空間でしたが、私たち人間は実は完全な暗闇ではないのです。必ずどこかに光が漏れているのです。その暗闇側が本当の自分ではなく、ポロッと漏れた光の方こそが本当の自分なのです。
私たちは自我意識側の視点から、全ての光を全開にしたいと思ってしまいます。地上での物質次元で様々な仕事をこなし、お金を稼ぎ、人との関わりも大変で、思い通りにいかないことばかりで、世界では悲惨なことも起きている。そんな中で「早く全てを光にしてほしい」と思ってしまいます。
しかし、これは全て自我意識側からの発想です。実は、全開になっていないところに意味があるのです。私も自我意識だらけですが、そうであるからこそ分かることがあります。自我意識であろうが、自我意識がやってしまう何かであろうが、全てがOKという視点があるのです。
確かに「また自分のエゴでこんなことが起きてしまった」「まだまだ未熟だ」「自分の中にまだこんな不完全なところがある」と、一瞬はそちら側に意識が向いてしまうことはたくさんあります。しかし、だからこそ気付けることがあるのです。闇の中に差し込む一条の光があるからこそ分かることがあるのです。
最初から容易に光が差し込んでしまったらできない経験もあります。完全なる100パーセントの悟り、100パーセントの覚醒というものは、全てをやりきった時に進む次のステージなのです。
私たちはむしろ、この暗闇を楽しむべきなのです。影があるからこそ、影とどう向き合うか、影とどう関わっていくか、影の役割を成就させることができます。影にもちゃんと存在意義があると私は捉えています。
本来、影というものはないのです。本来がないからこそ貴重なのです。神様は、わざわざ影が存在するような世界を作ったとも言えます。自我意識の不完全な視点と、その自我意識の不完全さゆえに出てくる感情や発想を忌み嫌うこともできますが、それは影を影で見ている視点、闇を闇で見ている視点なのです。
そうではなく、影を真理で見ることができるのです。影を、闇を、中立な立場、完全な立場から見れる自分がいるのです。それこそが、私はこの世界の醍醐味だと思っています。
この地上次元は、影とどう向き合うか、不完全と思われることにどのような視点で向き合うかを知ることができる貴重な次元なのです。それを知っていれば素晴らしい体験となりますが、知らなければ確かに大変な思いをすることになります。
大変なことはあるのですが、それは本当に悪いことなのでしょうか。大変なことは本当に忌み嫌うべきものなのでしょうか。大変なことを一掃すべきものなのでしょうか。
これは「大変なことを嫌だけど向き合っていく」というマゾ的な発想ではありません。
真理から観たら、本当にありがたいことなのです。
それは自分の魂にとって必要なこと、通常の状態ではできないことを教えてくれたり、その状況だからこそ身につく力があるのです。
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「カルマ・ヨガ」は、特別な能力を必要とせず、特別な手法でもない、誰でも日常で最もシンプルに行える「普遍意識の目覚めへの最短距離」です。
しかし、とてもシンプルですが、それ故につい疎かになりがちで、真面目に取り組めば取り組むほど、と継続がいかに難しいかが分かります。
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田久保とスタッフ原の掛け合いスタイルで動画を撮影し、より面白く、より分かりやすく学んでいただけます。
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