Q：「普遍意識に目覚めたら嫌なことはなくなるのですか？」
このご質問の回答をご紹介します。
この回答音声は、スピリチュアル分野の、よくある疑問や、勘違いしやすい様々な質問に、田久保剛が音声ファイルでお届けして、スマホ等で気軽に聴ける、
“精神世界・スピリチュアル百科辞典”
『スピリチュアル創造スタジオ』、略して『スピぞう』の項目の一つです。（2020年8月現在、163ファイル。その後続々更新中）
普遍意識の目覚めは嫌な事をなくす手段ではない
Ａ：まず、理論的に言うと“嫌な事”はなくなります。
なぜなら、そもそも普遍意識の中には、嫌な事というのが無いからです。
「普遍意識」というのは何かと言うと、一なる意識、絶対の意識です。
「絶対」というのは、「内と外」や「善と悪」といった「相対」が無い世界です。ですから当然、その中には嫌な事という、そもそも概念が無いのです。
「嫌な事」と言った瞬間に、「良い事」がある、ということは即ち、それは分かれてる世界、分離がある世界という事ですから、理論的に言えば、普遍意識に完全に目覚めたら、当然、嫌なことはその中に存在しませんから、嫌なことは無くなる、という言い方が出来ます。
ただし、そもそもこういう質問が出てくる背景を知ることが非常に重要です。
例えば、今、人生の中で、仕事や人間関係など色々と嫌なことがあるとして、
「どうやら普遍意識という完全なる意識に目覚めたら、嫌な事がなくなるらしい。
だとしたら、今、目の前にいる、どうしても嫌なこの人もいなくなるかもしれないし、この嫌な気持ちも消えるかもしれない。
この人生の色々な不安や恐怖も、全部、もう苦しくてしょうがないけど、その普遍意識とやらに目覚めたら消えるんだったら、是非その普遍意識に目覚めたい…」
そういう思いから、先ほどのような疑問が出てくる場合が多いのではないかと思います。
「嫌なことがある」という思いを、普遍意識に目覚めるための、一つのきっかけにすることは良いことです。
言ってみれば、人間は嫌な事、辛い事、苦しい事があるからこそ、何とかしたいという思いが湧き上がり、その解決策を求めて、霊的真理を学び、自分の本当の意識に目覚めること、もしくは悟りを目指すからです。
しかし、その苦しみに直面しそこから逃れるため…というのは、あくまでもきっかけであって、それは本来の霊的真理を学ぶ目的ではないのです。
では、普遍意識に目覚めるにはどうすればいいのかと言えば、色々なやり方があります。
そもそも普遍意識に目覚めるというのは、人生において起きてくる色んな嫌なことを消すための道具ではありません。
嫌な事は普遍意識に近づくために必要な事
結果として、その意識の中には嫌な無いという、理論的に言えばそうだということであり、一番大事なのは、先程の疑問が出てくる前提にある、私たちの人生に起きてくる色々な嫌な事を「嫌な事」と捉える枠組から生まれて来る、ということです。
嫌な事を嫌な事と捉える枠組みというのは、何のためにその嫌な事が起きているのか、何故それを嫌な事として捉えているのか、どうしてそういう事が起きるのかっていう、もっと本質的な理解があると、そもそも、この疑問が出なくなる訳です。
普遍意識に近づいていく、目覚めに近づいていくためには、嫌な事がなぜ起きてるのかという、その「嫌な事」の正しい理解と、その正しい向き合い方を理解することが大事です。
嫌な事・辛い事・苦しい事が、何のために起きてるかと言うと、結論から言えば、魂を成長させるため、そして自分の霊性を向上させるため、という言い方が出来ます。
私たちはどちらかと言えば、負荷があることで、その負荷を乗り越えることで魂が成長できます。
もう幸せで何も嫌なことなんか無く、楽しくてしょうがない、幸せの中にただ包まれてる、という方は、それはそれでとても良い状態ではありますが、もしも魂の成長が目的だとすると、なかなか成長は望めません。
だから、私たちはあえて、自分自身を成長させるための、自分自身に負荷をかけるような状況に直面するような、ひとつの仕組みがこの地球上に働いている訳です。
この地球、つまり物質で表現されたこの次元は、ある意味では私たちの魂を成長させるトレーニングジムに例えることが出来ます。
これは一つの仮説と私は捉えていますが、私たちがこの地上に肉体を持つ前の段階の時に、実は色々と、今回の人生でこういうことを学ぼう、こういう事を経験しよう、こういう事をもっと鍛えよう、過去生ではやりきれなかった課題にもう1回取り組もう、などと設定してきている訳です。
もしくは、新たに自分自身の役割を果たすためにこういう経験が必要だとか、色々な設定をして、そして1回それを全て忘れて、この地上に生まれて来るのです。
これはあくまでも仮説ですが、そういう風に捉えた時に、あらゆる事の辻褄が合うというか、私は納得感があるのです。
だから、まず魂の計画という一つの考え方が、私の中の物事を判断する時の前提にあり、そのためにはむしろ、嫌だと思うことに直面する必要があるのだと思っています。
そして、自分自身がその正しい捉え方ができないと、それが嫌なこととして映る… つまり、嫌な事として映るというのは、そこにまだクリアされてない課題がある、または、そのことに向き合った結果得られるものがあると解釈しています。
壮大なる魂の計画に想いを馳せる
例えば、向き合うにも色々とやり方はあるのですが、嫌だけれどもそのことに向き合って、その向き合い方を学び、正しい理解をして、そしてそれに対して向き合う努力をした時に、
結果として、今までその出来事が無ければ絶対に気づけないような事に気づけたり、人間的な成長が得られたり、それがあったからこそ経験できたことがあって、
振り返ると、あの嫌な出来事があったからこそ、今はこういう気持ちに成れているな、とか、こういう役割が与えられてるな、とか、同じような状況にあっても動じずに向き合えるような自分になったり、自分の経験を人に同じような事に悩んでいる方に手を差し伸べるような財産になったり、色々と後になって結果的に気づくということがあるのです。
これを、普遍意識に目覚めるという事に当てはめて言えば、その嫌なことに正しい理解と正しい向き合い方によって、結果としてクリアし、魂の成長が遂げられると、それは即ち、普遍意識に少しずつ近づいているという言い方が出来ます。
ですから、普遍意識に目覚めたら、確かに嫌な事は無くなりますが、そこに行くために一歩一歩のステップが、私たちにとっては嫌な事、辛い事、苦しい事というように映っているのです。
だから、そのことを正しく理解し、色々と試行錯誤しつつクリアしていくと、結果的に普遍意識に近付いていくことができるのです。
「普遍意識に目覚めたら嫌なことは無くなるのか？」という質問への直接的な答えは「はい、その通りです」と言えるのですが、
普遍意識に目覚めることが先ではなくて、もともと私たちはそういう何の問題も無い世界から来て、でもそれを経験するために魂の設定をし、そしてこの地上に、一旦そのことを忘れて生まれて来る。
そして、嫌な事を一個一個クリアすることによって、初めて、その嫌な事なんて何もない世界ってどういうことなのか、ということを味わうという、壮大なる計画の中にいるのです。
今、もしも嫌な事に直面しているとしたら、その一部分にいるんだという捉え方をしていくと、普遍意識に目覚めたら嫌なことがなくなるのかというような発想も無くなって来ると思います。
私も昔は、「普遍意識に目覚めたらこの嫌な事はなくなるんだろうな…だから普遍意識に目覚めたいな」と、思っていたこともありますが、
今はどちらかというと、嫌な事は、正に自分自身で何かここに課題が示されているのかもしれない、今こういう事を向き合いなさいと、より大いなる視点で言われているのかもしれない…という仮説を立てて、そこに対して正しい向き合い方をしていくと、
結果として、本当に「あぁ、あれがあったからこういうことを学べたな、こうやって成長できたな」ということ実感することで、ここまでお話してきたような話の確信が深まる、というプロセスを、日々経験しています。
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